【レビュー】Wilkinson WVS1302P(ウィルキンソンのロック式トレモロ)その2
WVS1302P、レビューの続編。
ゴトーの2点支持シンクロユニットとの完全互換を謳うだけあって、ぱっと見ゴトーに見える。
そこでホンモノ登場。
カスタムオーダーしたSuhrに載っていた、510TS-FE1。現行モデルと比較すると、サドルのイモネジの仕上げが違う。
現行モデルはクロームメッキ?だが、このイモネジはマットブラック仕上げ。
並べてみる。分解してランダムに組み上げられると錯覚しそう…だが、
ベースプレートの形、サドルの隙間、アームハウジングに違いがある。
右の角張ったモデルがウィルキンソン。ゴトーはこう見ると緩いカーブを描いている。
アームハウジングは長さと径が違う。
スタッドのピッチは一緒ですね、完全互換ですもの。
イナーシャブロック、ベースプレート、サドルは高さ方向でほぼ同寸。
よってユニット丸ごと入れ換えができ…そうだが、ナイフエッジ部分の処理が違うため高さがズレる。
弦高を保つには、スタッドを若干下げる必要がある。
ベースプレートの横幅、ストリングピッチも一緒、10.8mm。
隙間の感じからして、ウィルキンソンのコマの幅は10.5mm強。こう見るとゴトーのタイトなつくりは凄いな…
ウィルキンソンの重量はおよそ367g。
ゴトーの重量はおよそ346g…だが、お詫び。
ブリッジ全体で20gだとそこそこ差があるが、これはサドルの違いによるものが大きいと考えていただきたい。
純粋な比較?をするなら、本来はビンテージタイプのサドルではなくスチールブロックのサドルを比較対象に選ぶべきであろう。
アーム比較。上がウィルキンソン、下がゴトー。ウィルキンソンの方が上に跳ねており、若干長い。
上手く見せられず申し訳ない。
左がウィルキンソン、右がゴトー。
アームの径と差し込み用のネジ(穴)が異なる。つまりアームの互換性はない。
ネジのピッチも異なり、ウィルキンソンの方が細かい(画像なし)。
サドル取り付け用のネジは仕上げと頭の形に違いはあるが、完全互換。スプリングもうまく融通できる。
サドルのイモネジ比較。右がウィルキンソン、左がゴトー。
径、ピッチとも同一だが、ゴトーのネジの接地面は面取りがされている。
前述の通りサドルの幅はコンマ数ミリの違いがある。
加えて、よく見るとウィルキンソンのイモネジは若干、中央寄りのレイアウト(サドル外側の余白?が微妙に広い)。
510TSにウィルキンソンのロックサドルを載せてみると、イモネジはベースプレートに完全接地しない。
ベースプレートにサドルのガイド溝があって、上述の微妙な差によりピッチが合わないのが原因。
ウィルキンソンの場合はこのように全サドル、片側をホールドするデザイン。
ゴトーは1弦と6弦の両サドルを固定、2〜5弦のサドルは挟まれてホールドされる…というデザイン。
サドル幅とイモネジのピッチの違いにより、サドル単体のスワップは出来ない。
使用レビューに続く。