【レビュー】Wilkinson WVS1302P(ウィルキンソンのロック式トレモロ)その1

ギターパーツのレビューをしてみようと思う。

第1弾は、ようやく発売された&手にできたウィルキンソンのロック式トレモロ

日本にはまだ数台しか流通しておらず情報が多くないと思われるので、パーツマニアたちのお役に立てるかもしれない。

 

Reverb.comでメーカー直販、送料込みで3万円弱。イギリス発台湾経由、5営業日で到着。

(…もう着荷から1週間も経ってしまった)

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開封

納品書とは別に、Wilkinson Directからのお手紙。まさかの手書き。

「購入ありがとう!直販だから簡易包装なんだ、ごめんね。楽しんでね!(意訳)」

嬉しくて保管、これは捨てられない!ウィルキンソンがもっと儲かり、担当者がもっと幸せになりますように…と祈ってしまう。

 

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 ハコを開けるとウィルキンソンロゴの紙がスペーサーになっていて、ビニール袋に詰められたパーツがそのまま収められている。

 

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セットの全容。個人的には1年越しの恋が実ったようなものなので、ネジの一本まで愛おしい!

 

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スタッドはロック式ではない(Gotohの2点式ユニットは、スタッド内に小さなネジが仕込まれていてスタッドそのものをロックできます)。

 

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ユニット本体。メッキの質感も問題なし。

 

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パッと見は510シリーズだが、レーザーでWilkinsonロゴが入れられている。

510シリーズとはナイフエッジ部の作りが違う。ベースプレート表側に段加工?がされており、接点部分がシャープに見える。

 

アームとアームハウジングの仕様は510シリーズに似ているが、寸法が異なる。ねじ込み式、イモネジでトルク調整できる軟質プラのスペーサー…イモネジ取付位置(向き)は異なる。

ただし、スペーサーはかなりタイト。ねじ込むとギチギチ、トルク調整が効かない。エディーのようなアームブラブラセッティングは不可能である。これならイモネジ要らないだろ。

個体差の可能性はあるが、私自身が所有したことのある510トレモロ5台ではこのような経験はしたことがない。

 

 

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キモとなるロック式サドルがこちら。スチールブロックタイプ。

弦高調整用ネジの位置がサドルに対して平行ではない。ロックナットとネジを干渉させないためのレイアウト。

この構成は不安定なのでは?と根拠なく考えていたが、結果として全く問題なかった。

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ロックナットを外すとこんな感じ。ロックナット手前、弦が当たる部分のアールはもう少し緩くしてほしいところ。

質感は1世代前のアメスタや、ジェフ・ベックモデルのようなサテン仕上げ。

 

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イナーシャブロックはマットブラック仕上げ、スチール製。 

 

ここまで度々510シリーズと「似ている」と記しているのは、明らかに「同一」ではないからである。ユニット全体は510シリーズ完全互換だが、パーツレベルではほとんど互換性がないのだ。

精度を出すツボ?が、日本製品と少しズレているように感じる(良し悪しの話ではない)。私自身は、製造元はゴトーではないと推測している。

(TGPでは韓国製という投稿があったが、ソースは発見できなかった。この情報が正しければ、現行のフロイドローズオリジナルと製造元が同じである確率が高い)

工作精度は前述のアーム(ハウジング)を除き、510シリーズに近い高品質といえる。私は安心して使用できる品質、と判断している。

 

道半ばだがパート2に続く。

パート2は、510トレモロユニットとの比較を中心にお送りする…予定。